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熱処理関連用語

用語 解説 対応英語
(参考)
真空熱処理 真空中で加熱・冷却を行う熱処理。冷却はガス冷、油冷がありワークの脱炭・浸炭等の表層変質が殆んどなくなる。ガス冷はワークの焼入性、質量効果、および設備の冷却能によって、焼入れ特性が左右される。 vacuum、heat、
treat-ment
雰囲気熱処理 炉内雰囲気をコントロールして加熱、あるいは冷却まで行なう熱処理。一般にはワークの脱炭・浸炭・酸化防止のコントロールを行なう。加熱後大気中に取出して焼入れ冷却する方式は微かな酸化・脱炭は避けられないが、ワークの仕上げ加工代内であれば問題とならない。オールケース式(雰囲気中で冷却)の場合は酸化・脱炭は極めて少なくなる。 controlled atmosohere、
heat treatment
塩浴熱処理 塩浴中にワークを浸漬加熱後、別の低温に保持した塩浴槽で冷却して熱処理を行う方法。SKHのワークの熱処理に最適。 salt、bath、heat、treat-ment
変態点 温度を上昇、又は下降させた場合に、ある結晶構造から他の結晶構造に変化する現象。鉄鋼の熱処理に関与する変態点は一般に、A1、A3、Acm、Ar′、Ar″があり、Ar″はMs点とも呼ばれる。 transformation
オーステナイト A3、又はA1変態点以上の高温での均一な組織をいう。一般に焼入れ温度に均熱化したマトリックス(生地)の組織がオーステナイト。ステンレス鋼などでは、常温でもこの組織を呈するものがある。 austenite
フェライト 純鉄に近い組成。工具鋼の球状化焼なましのマトリックスはフェライトになる。フェライトは、炭素鋼の場合炭素を0.008%固溶している。(0℃)。 ferrite
炭化物 炭素と一つ又は複数の金属元素との化合物。硬さが高く、工具鋼の耐摩耗性に寄与する。 carbide
セメンタイト 炭素と鉄の化合物で、Fe3C。工具鋼で基本的な炭化物。 cementite
パーライト オーステナイト化状態にした鋼を冷却した際に生じるフェライトとセメンタイトの層状組織。 pearlite
マルテンサイト オーステナイトを急冷した場合に、Ms点以下の温度で変態して生じる焼入れ組織。結晶格子に歪が生じて硬化する。 martensite
ソルバイト フェライトとセメンタイトの微細な混合組織 sorbite
ベイナイト オーステナイトの冷却変態生成物の一つで、パーライト生成温度とマルテンサイト生成温度(Ms点)との中間の温度範囲で生じた組織。 bainite
焼入性 鋼を焼入れ硬化させた場合の焼きの入り易さ、すなわち、焼きの入る深さと硬さの分布を支配する性能。焼入性は、構造用鋼ではジョミニイの試験方法を用いて判断するが、工具鋼の場合はジョミニイ試験では差が得られないものが多いため。CCT(連続冷却変態)曲線のベイナイトノーズの位置の比較で判断するとよい。 hardenability
CCT曲線 をオーステナイト状態(焼入れ温度)から連続的に冷却した場合に生じる変態の様相を縦軸に温度、横軸に時間をとってプロットし図示したもの。
ある鋼のCCT曲線があれば、その鋼をパーライトは勿論、ベイナイトも成生せずに、安全なマルテンサイト変態するために必要な焼入れ冷却速度を求めることができる。
continuous、
cooling transformation、
dia-gram
脱炭 鋼を炭素と反応する雰囲気中で加熱するとき、表面から炭素が失われる現象。工具鋼の熱処理で、脱炭は致命傷。硬さのバラツキは勿論、焼割れの原因になるので留意しなければならない。 decarburization
残留オーステナイト 焼入れによってオーステナイトからマルテンサイトへの変態が完全に行われない場合には、オーステナイトは一部常温で残留する。これを残留オーステナイトといい焼入れ硬さの低下や、経年変形の要因になる。 retained austenite
残留応力 外力又は熱こう配がない状態で、鋼の内部に残っている応力。熱処理のときに、材料の内外部で、冷却速度の差による熱応力、又は変態応力が生じ、これらが組合わされて、引張と圧縮の応力が表面と内部にバランスして残留する。焼入れしたときに表面に過大な引張応力が残留すれば、使用中の負荷が小さくとも破壊に至る場合がある。 residual stress
経時変形
(経年変形)
室温で時間の経過と共に材料の寸法・形状が変化すること。工具鋼では主として残留オーステナイトのマルテンサイトへの経時変態による膨張が原因である。 secular distortion
低温脆性 室温付近又はそれ以下の低温で、鋼の衝撃値が急激に低下する性質。急激に低下する温度を遷移温度という。 遷移温度は鋼種によって異なり、一般に脆い材料は遷移温度が高い。 cold shortness
質量効果
(マスエフェクト)
質量および断面寸法の大小で焼入れ硬化層深さの異なる場合。質量および断面寸法のわずかな変化で、焼入れ硬化層深さが大きく変化することを、質量効果が大きいという。 mass effect
S曲線
(TTT曲線)
をオーステナイト状態(焼入れ温度)からの冷却途中である温度に保持した場合の変態(等温変態)の様相を縦軸に温度、横軸に時間をとって図示したもの。等温処理する場合は有用であるが、工具鋼の場合はCCT曲線の方が熱処理の実用性が高い。 s curve
(time temperature
transformation curve)
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